遺産分割協議書

♦遺産分割協議とは

遺言がない場合、法律に定められた相続人(法定相続人)が遺産を相続することになります。相続人が複数の場合、その遺産は全員の共同相続財産となります。

共同で相続した相続財産について共有関係を解消し、具体的に誰にどのように分けるかを話し合うのが「遺産分割協議」です。

協議成立後、通常は全員が合意した結果に基づき「遺産分割協議書」を作成します。

遺産分割協議書には、

「相続人全員の合意を明確にする」

「あとで起きうるトラブルを避ける」

「不動産・預貯金・株式等の名義変更」

「相続税の申告書に添付する」

などの効果があります。

 

※相続による不動産の所有権の移転登記をする際には、添付書類として遺産分割協議書が必要になります。また、預貯金の名義変更、相続税の申告等にも添付書類として遺産分割協議書が必要になる場合があります。

 

 

♦遺産分割の3つの方法

 現物分割(げんぶつぶんかつ)

現物をそのまま分割する方法です。例えば、遺産が土地であれば分筆するなどして分割します。

現物分割では各相続人の相続分きっかりに分けることは難しく、相続人間の取得格差が大きいときは一部の資産を売却するなどして、その格差を売却代金で調整したり自己資金で調整(代償分割)したりします。

 

換価分割(かんかぶんかつ)

遺産を売却し、その金銭を分配する方法です。

現物分割では遺産を各相続人の相続分どおりに分けることは難しいため、各相続人の法定相続分きっかりに遺産を分割したい場合などにこの方法をとります。但し、この場合は、遺産を処分しますので、処分費用や譲渡取得税などを考慮する必要があります。

 

代償分割(だいしょうぶんかつ)

現物を特定の者が取得し、取得者は葉の相続人にその具体的相続分に応じた金銭を支払う方法です。

現物を取得する相続人にその支払い能力があることが必要となります。

 

 

 

♦遺産分割協議書作成の注意点

・必ず相続人全員で行う。(全相続人の合意が得られればそれでよいので、実際に集まることなく電話やメールを使って行ってもよい)

 

・遺産は「誰が」「何を」「どのような割合で」「どのように分けるか」を明確に記載する。

 

・遺産分割協議後に判明した遺産(負債も含む)について、どのように分配するか決めておく。(再度遺産分割協議書を作成する手間が省ける)

 

・不動産の表示は、土地であれば所在・地番・地目・地積等を、家屋であれば所在・家屋番号・種類・構造・床面積等を登記簿の通りに記載する。

 

・預貯金は、銀行名、支店名、預金種目、口座番号等を細かく記載する。

 

・相続人全員が手書きで署名し、実印で押印し、印鑑証明書を添付する。

 

・相続人の人数分、及び金融機関等への提出部数分を作成する。

 

・相続人に未成年がいる場合は、法定代理人(通常は親権者)が遺産分割協議に参加するが、法定代理人も相続人である場合は、互いに利益が対立することになるため、家庭裁判所に特別代理人の選任申立を行う。

 

・相続人に行方不明者がいる場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任」又は「失踪宣告の申立」等を行う。

 

 

♦遺産分割協議書作成業務の流れ

 面談  

・説明、聞き取り

・必要書類の説明

          

②基礎調査   

・推定相続人調査(戸籍謄本等の必要書類の収集)

・財産調査(登記簿謄本等の必要書類の収集)

・遺言調査(公正証書遺言の場合、遺言登録システムにより確認)

 

③遺産分割協議書の作成  

・財産目録の作成

・相続関係説明図の作成

・遺産分割協議書の文案の作成

・調査報告、遺産分割協議書(文案)の説明

・相続人で協議(合意)

・遺産分割協議書の作成

・遺産分割協議書の完成

④銀行の手続き  

・預金者(被相続人)の死亡を通知する。

・「相続届」「残高証明依頼書」を入手。

・「残高証明依頼書」を提出。

・遺産分割協議書及び相続手続きに必要な書類をそろえる。

・銀行に必要書類を提出

・指定口座に払い戻しされる。

 


当事務所では相続の専門家による遺産分割協議書作成のサポート、遺産分割協議書作成に必要な相続人調査、相続財産調査も行っております

※ 初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。